新型コロナウイルス

新型コロナウイルス感染症とは

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、201912月に中国で発見された新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による感染症です。
世界中で広がり、日本では20228月時点で1800万人以上の感染者が確認されています。

コロナウイルスとはヒトや動物に感染するウイルスで、過去に6種類が確認されています。4種類は風邪の原因となり、2種類(SARSMERS)は重症の呼吸器症状を引き起こします。
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)201912月に7種類目のコロナウイルスとして新たに発見されました。
また、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けは、流行後「新型インフルエンザ等感染症(いわゆる2類相当)」でしたが、2023年5月8日からは「5類感染症」になりました。

新型コロナウイルス感染症とは

新型コロナウイルスの症状

主な症状

  • 発熱は、COVID-19の初期症状として非常に一般的です。体温が37.5°C以上になることが多く、感染初期に現れます。
  • 乾いた咳(痰がほとんど出ない咳)は、COVID-19の特徴的な症状の一つです。咳は感染者の約半数以上に見られます。
  • 倦怠感(疲労感)は、感染者の多くが経験する症状で、持続的な疲労を感じることが多いです。
  • 呼吸困難や息切れは、重症化する場合の典型的な症状です。特に肺炎を併発した場合、呼吸が困難になり、酸素療法が必要になることがあります。

その他の症状

  • 筋肉痛や関節痛が現れることがあります。これらは風邪やインフルエンザでもよく見られる症状で、COVID-19感染者の一部でも見られます。
  • 喉の痛みや違和感が現れることがありますが、一般的には軽度であることが多いです。
  • 頭痛は、COVID-19に感染した際に現れることのある症状であり、感染者の約14%が経験しています。
  • 嗅覚や味覚の喪失(嗅覚障害・味覚障害)は、COVID-19特有の症状の一つです。多くの感染者が一時的に嗅覚や味覚を失うことがあります。
  • 下痢や吐き気、嘔吐などの胃腸症状が現れることがあります。これらの症状は成人よりも子供や若年層に多く見られる傾向があります。
  • 一部の感染者では、発疹や皮膚の変化が見られることがあります。これはCOVID-19の比較的稀な症状ですが、報告されています。

重症化する可能性がある症状

  • 胸の痛みや圧迫感は、特に重症化した場合に現れる可能性があり、すぐに医療機関での診察が必要です。
  • 混乱や意識の低下が見られる場合は、重篤な状態にある可能性があります。特に高齢者では注意が必要です。

無症状感染者

COVID-19では、無症状感染者も多く存在します。感染していても全く症状が現れない場合がありますが、他人にウイルスを感染させるリスクは依然としてあります。


新型コロナウイルスの重症化リスク

新型コロナウイルス感染症の重症化リスクは、一般的に高齢者や基礎疾患を持つ人(心疾患、糖尿病、慢性呼吸器疾患など)に高いとされています。喫煙者や肥満の人もリスクが増します。

子どもの重症化リスク

子どもが新型コロナウイルスに感染した場合、重症化する割合は成人より少ないとされていますが、呼吸状態が悪化することもあります。
特に2歳未満の子どもは重症化しやすいため、注意が必要です。


新型コロナウイルスの感染経路

新型コロナウイルス(COVID-19)の主な感染経路は飛沫感染と接触感染です。
感染者が咳やくしゃみ、会話をする際に放出される飛沫に含まれるウイルスが、他者の口や鼻、目の粘膜に付着することで感染が広がります。
また、ウイルスが付着した物品や表面に触れた手で顔を触ることでも感染する可能性があります。
さらに、閉鎖空間での微細な飛沫の吸入による感染や、無症状の感染者からの感染も確認されており、これらの経路によってウイルスが広がります。

新型コロナウイルス感染症とは

新型コロナウイルスの潜伏期間

新型コロナウイルス(COVID-19)の潜伏期間とは、ウイルスに感染してから症状が現れるまでの期間を指します。COVID-19の潜伏期間は、通常1日から14日間とされていますが、平均的には約5日から6日程度です。

潜伏期間の詳細

  • 最短で1日、最長で14日間:ウイルスに暴露されてから症状が出るまでの期間は個人差があり、1日という短い期間で症状が出る場合もあれば、14日経過してから症状が現れる場合もあります。
  • 平均的な潜伏期間: 一般的に、感染後5日から6日で最初の症状が現れることが多いです。この期間中、感染者は症状がないため、自分が感染していることに気づかない場合があります。
  • 無症状の可能性:潜伏期間中、症状が全く出ない無症状の感染者も存在します。無症状であっても、他者にウイルスを伝播する可能性があるため、感染防止対策が重要です。
  • 感染力:潜伏期間中でも、ウイルスの伝播力があることが確認されています。特に、潜伏期間の後半や症状が出始める前後が最も感染力が強いとされています。

潜伏期間中の注意点

潜伏期間中の感染者が、自身が感染していることを知らずに他者と接触することで、ウイルスが広がるリスクがあります。そのため、感染が疑われる場合や感染者との接触歴がある場合には、潜伏期間中も自己隔離や適切な対策を講じることが推奨されます。


新型コロナウイルスの予防

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染予防は、個人の健康を守り、感染拡大を防ぐために非常に重要です。以下に、感染予防のための具体的な対策を詳しく説明します。

マスクの着用

マスクは、飛沫感染を防ぐための基本的な防御手段です。外出時や公共の場では必ずマスクを着用することが推奨されます。特に、混雑した場所や密閉された空間では、マスクの着用が感染リスクを大幅に減少させます。正しい着用方法も重要で、鼻と口をしっかり覆い、マスクの外側には触れないようにします。不織布マスクが推奨されますが、布製マスクを使用する場合は定期的に洗浄し、清潔を保つことが重要です。

手洗いと手指消毒

手洗いは、接触感染を防ぐための基本的な対策です。石鹸と水で20秒以上かけて手を洗うことが推奨されます。特に、外出から戻ったときや、公共の場で何かに触れた後、食事前などに徹底します。
アルコール消毒剤(アルコール濃度60%以上のもの)を利用することで、外出先でも手指を清潔に保てます。

ソーシャルディスタンス(社会的距離)

ソーシャルディスタンスは、感染リスクを低減するために重要です。他人との距離を1~2メートル程度確保するようにします。これは、飛沫が直接他人に届かないようにするための対策です。混雑した場所や密閉された空間を避け、外出を控えることも重要です。

室内の換気

換気は、空気中のウイルス濃度を下げるための重要な対策です。定期的に窓を開けて換気することで、室内に滞留するウイルスを排出できます。1時間に2~3回、数分間程度の換気を行うことが推奨されます。換気が難しい場合は、空気清浄機の利用も検討すると良いでしょう。

健康管理と免疫力の維持

免疫力を高め、健康管理を徹底することも重要な予防策です。バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動を心がけることで、免疫力を維持します。体調に異変を感じた場合は、外出を控え、すぐに医療機関に相談することが大切です。


受診の目安

発熱や呼吸苦などの症状があれば、感染の可能性を考え早めに医療機関を受診してください。
特に子どもの場合、高熱や呼吸困難、元気がない場合はすぐに受診が必要です。

受診の目安

検査・治療

PCR検査と抗原検査を行っています。
抗原検査は迅速に結果が分かり、PCR検査は当日中に結果が分かります。

当院では、BioFire SpotFire R パネルを導入しておりますので、1回の検査(測定時間:約20~30分)で、新型コロナウイルス、コロナウイルス(季節性)、インフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス、ヒトメタニューモウイルス、アデノウイルス、RS ウイルス、ヒトライノウイルス/エンテロウイルス、マイコプラズマ・ニューモニエ、クラミジア・ニューモニエ、百日咳菌、パラ百日咳菌を調べることができます。

治療は軽症なら対症療法、中等症以上は抗ウイルス薬や酸素療法を行う必要があります。

PCR検査と抗原検査

新型コロナウイルスに関して
よくある質問

子どもの新型コロナウイルス感染の初期症状は?

発熱や乾いた咳が多く、鼻水や鼻閉は少ないです。重症化の可能性もあり、注意が必要です。

子どもの症状は軽い?

症状は大人と同じで、発熱や咳が多いですが、重症化することもあります。基礎疾患がある場合は特に注意が必要です。

学校(保育園)の出席停止期間は?

発症から5日後、症状が軽快してから1日経過するまでの出席停止が推奨されます。

感染するまでの時間はどれくらいですか?

約1m以内で15分以上会話することで感染する可能性があります。短時間やすれ違いでは感染しません。

家庭内での感染防止策はありますか?

帰宅後の手洗い、うがい、食器やタオルの共有を避けることが大切です。

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