手足口病は大人でも感染する?

手足口病とは

手足口病は、コクサッキーウイルス、エンテロウイルスなどのウイルスが原因となって手や足、口や喉、お尻にたくさんの小さな水疱が生じる疾患です。
主に夏に流行し、熱は出ないこともありますが、出た場合でも2日~3日程度で解熱します。喉にできた口内炎のため痛みが生じて食事がとりにくくなり、そのため、喉に痛みが生じて食事をとりにくくなり、赤ちゃんの場合機嫌が悪くなることも多いです。

手足口病とは

重症化リスクの高い子ども

  • 月齢が3ヵ月未満(特に新生児)
  • 免疫不全症

  • 免疫抑制剤を服用している

手足口病の感染経路

手足口病の感染経路は主に「飛沫感染」「接触感染」そして便の中に排出されたウイルスが口の中に入って感染する「糞口感染」の3つです。
手足口病にかかりやすい乳幼児の集まる施設では、生活距離が近く、濃厚接触が生じやすい他、衛生観念がまだ低いために集団感染が起こる可能性が高くなります。
また、乳幼児では原因となるウイルスに感染したことのない子どもが多いため、感染すると発症しやすく、注意が必要です。


手足口病の潜伏期間

手足口病は3日~5日程度の潜伏期間があります。

手足口病では、症状が軽快した後も比較的長期間便などからウイルスが排出されます。
さらに、発症しないままにウイルスを排出しているケースもあるため注意が必要です。


手足口病は大人にも感染する?

手足口病は子どもの感染症というイメージがありますが、大人も感染することがあります。主な原因ウイルスには複数の種類があり、大人が幼少期に感染していない型に感染する場合があります。

大人は子どもから感染することが多く、家庭や職場で広がることが多いです。また、手足口病にかかった子供の親が職場にウイルスを持ち込むケースもあります。

手足口病は無症状で経過することもあるため、日頃からの感染予防が重要です。大人は子どもより発疹が強く現れ、倦怠感、筋肉痛、悪寒、高熱が出ることもあります。発疹が出る前に風邪と勘違いすることもありますので、症状が出た場合は医療機関を受診しましょう。


手足口病の予防方法

手足口病は飛沫感染と接触感染、糞口感染によって感染が広がります。
以下のような対策で予防を行いましょう。

① 手洗い・うがい

お子さんも周囲の大人の方も、調理、飲食の前後、排泄物の処理後にはきちんと流水とせっけんを使用して手洗いを徹底するようにしてください。
また、タオルは共有を避けるようにしましょう。

② 適切な排泄物の処理

手足口病では、比較的長い期間便の中にウイルスが排出されます。
さらに、症状がなくても便からウイルスが排泄される場合もあります。
そのため、普段からおむつを交換する際は適切な処理を行い、手洗いを徹底するようにしましょう。


受診の目安

水分の摂取が十分にできていないと、脱水症になる場合があります。
脱水はおしっこの量や回数、唇が乾いていないか、ぐったりしていないかなどで評価を行います。
また酷い頭痛や吐き気などの症状がある場合、まれな合併症ですが、髄膜炎を発症することがあります。
上記のような症状があれば、速やかに受診するようにしてください。


検査・診察・治療

手足口病の診断には特別な検査キットはなく診察で判断します。
また特効薬がないため、痛みや熱に対して解熱鎮痛剤を使用して回復を待ちます。
手足の発疹に対しても特別な塗り薬はなく、2 週間程度で自然に改善することが多いのですが、痒みや痛みが強い、掻き崩してしまう場合には対症療法的に非ステロイド系の外用剤を使用する場合もあります。


手足口病に関してよくある質問

手足口病になった場合、何日休む必要がありますか?

手足口病では、治った後も便などからウイルスの排出が比較的長期間続きます。
また、感染しても発症せずにウイルスを排出しているケースもあるため、発症した人だけが隔離されていても有効な感染対策とはなりません。
そのため、少なくとも熱や食欲低下などの症状がある間は家で安静に過ごす必要があります。
しかし、その後は発疹が残っていても、熱が24時間なく、食欲があれば登園・登校が可能です。
ただ通われている園によってルールを設けている場合もあるため、登園前にご確認をお願いします。

手足口病は大人でも感染しますか?

手足口病は大人にも感染します。また、大人が感染すると多くの場合、子どもより重い症状が出ます。
特に発疹の痛みは大人の方が強く、足の裏の発疹が痛くて歩けないというケースもあります。
多くの場合、大人の感染は、子どもが感染してウイルスが家庭内に持ち込まれることによって起こります。

手足口病は皮膚科と小児科、どちらにかかれば良いですか?

発熱を伴う場合は小児科受診を優先してください。
また日頃、小児科のかかりつけがある場合も、まずは小児科の受診をご検討ください。
大人の方が感染した場合は、内科と皮膚科、どちらでも構いません。

手足口病になったときに食べさせるべきものは何ですか?

手足口病は手や足だけでなく、口の中にも発疹ができます。
そのため、トマトやみかんなどの柑橘類、熱いものや固いものといった口の中を刺激する食べ物は避け、豆腐や煮込んだおうどん、口当たりの良いゼリー、プリンなどの柔らかめの食べ物を与えるのが良いでしょう。

手足口病にかかるとどんな初期症状が出ますか?

手足口病に感染すると、3日~5日程度経過した後、口の中や手のひら、足底や足背などに2~5mmほどの水疱性発疹が出始めます。この水疱は痛みや軽い掻痒があるのが特徴です。
また、熱は出ないことも多く、多くの場合はこの発疹の症状で気が付きます。
また、口の中の発疹による喉の痛みで気付くこともあります。
赤ちゃんが感染してしまった場合、症状を自分で訴えることができないため、初期症状に気付くことは難しいです。
そのため、以下のようなサインがないか気を付けましょう。

  • 機嫌が悪い
  • 泣き止まない
  • よだれが多い
  • 母乳やミルクを飲まない
  • 離乳食を食べない

手足口病が疑われる場合、口の中の発疹も確認するようにしてください。
水分や食事を摂取できないと、脱水症状や低血糖に繋がります。
そうした症状がある場合は速やかに受診するようにしてください。

手足口病で現れる発疹はどんなぶつぶつですか?

直径は1~2mm、大きいものでは5mm程度で赤く腫れ、中心部に小さな水ぶくれがあります。
口の中では喉の上側(軟口蓋、口蓋弓)に現れます。
水ぶくれが破れると浅い潰瘍になり、痛みが生じます。

© あのねコドモくっりにっく