ヘルパンギーナに感染したら
何日休む?

ヘルパンギーナとは

ヘルパンギーナとは夏に流行することが多いウイルス性咽頭炎で、主な症状は発熱と、口の中の粘膜に生じる水疱です。

名前の由来はドイツ語で水疱という意味の「ヘルペス」と喉の炎症という意味の「アンギーナ」で、コクサッキーA群の26型と10型というウイルスが主な原因です。

高熱は1日~3日、喉の痛みは3日~4日程度続きます。

ヘルパンギーナとは

ヘルパンギーナの感染経路

感染経路として、主に「飛沫感染」「接触感染」「経口感染(糞口感染)」があります。
具体的には、以下の内容です。

  • 飛沫感染
    感染した人のくしゃみや咳、つばなどのしぶき中に含まれるウイルスで感染します。
  • 接触感染
    便や水疱の内容物に含まれるウイルスが手などを介し、眼や口などの粘膜に入ることで感染します。
    また、ドアノブや照明のスイッチなどを介して、他のご家族の手にウイルスが移り、同様に粘膜から感染することがあります。
    他、唾液や鼻水が付いたおもちゃなどを介しての感染も接触感染に含まれます。
  • 経口感染(糞口感染)
    腸で増殖したウイルスが便から排出され、おむつの後始末やトイレの際に感染します。

ヘルパンギーナの潜伏期間

ヘルパンギーナは2日~4日の潜伏期間があります。


潜伏期間の詳細

  • 無症状の可能性
    感染しても発症しない方(不顕性感染)も多いです。また、治癒後の34週間もウイルスが便中に排出されます。
  • 感染力は強い?
    症状が強く現れる急性期には、ウイルスの排出量が最も多くなるため、ヘルパンギーナの感染力が特に高くなります。

潜伏期間中の注意点

  • 口内の痛みが原因で食事が摂りにくい場合があります。のど越しの良い食事をお勧めします。
  • 特別な予防法はなく、感染者との密接な接触を避け、こまめな手洗いを徹底しましょう。
  • 小児科でヘルパンギーナと診断された場合は、熱が下がるまで幼稚園・保育園・学校は休みましょう。
  • 家で安静にすることが治療の基本です。

ヘルパンギーナは大人にも感染する?

ヘルパンギーナは子ども、特に乳幼児によく見られますが、風邪や夏バテ、睡眠不足、疲労などで抵抗力が低下している大人もかかる可能性があります。
大人がかかった場合、重症化しやすく、治癒に時間がかかることがあります。
また、脳炎や髄膜炎、心筋炎などの重い合併症が発生することもあります。
子どもの病気だからといって大人も安心せず、ご家族も予防に取り組むことが大切です。


ヘルパンギーナの予防方法

ヘルパンギーナには予防接種はありません。
予防の基本として、小まめな手洗いやうがいが重要です。

家族間でのタオルや食器の共有は避けるようにし、おもちゃの貸し借りも控えることが大切です。
また、大人の方やご家族の方は、お子さんのオムツ交換後の手洗いも忘れずに行いましょう。
唾液や鼻水が付着したおもちゃを介して感染することがあるため、おもちゃの共有も避けるようにしましょう。


受診の目安

まれに合併症として無菌性の髄膜炎が起こることがあるため注意が必要です。
髄膜炎の場合、頭痛や吐き気、食事がとれない、不機嫌でぐったりするなどの症状が現れます。
ヘルパンギーナと診断されていて、こうした症状がある場合は速やかに受診するようにしてください。


検査・診察・治療

ヘルパンギーナに特別な検査キットはなく、診察で判断します。
また特効薬もないため、痛みや熱を解熱鎮痛薬で和らげるなどの対症療法を行い、安静にして症状が軽快するのを待つことになります。


ヘルパンギーナに関してよくある質問

ヘルパンギーナに感染した場合、何日休む必要がありますか?

少なくとも熱や食欲低下などの症状がある間は家で安静にするようにしてください。
熱が24時間以上出ておらず、食欲が戻ったら登園・登校を検討してください。

小学生でもヘルパンギーナになることはありますか?

ヘルパンギーナはいくつかのウイルスが原因となるため、何度か感染することもあります。
小学生でも感染するケースはあります。

ヘルパンギーナがお風呂で感染することはありますか?

ヘルパンギーナの感染経路は飛沫感染と接触感染です。
そのため、直接お風呂のお湯が原因で感染することはありませんが、咳やくしゃみの飛沫や手指から入浴中に感染することはあります。

ヘルパンギーナは空気感染しますか?

ヘルパンギーナの主な感染経路は飛沫感染と接触感染です。
くしゃみや咳の際に出る飛沫を吸入する、もしくは体液のついた手やものに触れることで感染します。
そのため、空気感染が起こることはありません。

ヘルパンギーナに感染しましたが、病院に行かなくてもいいですか?

ヘルパンギーナに感染した場合、特効薬や根本的な治療法はないため、症状が軽ければ自宅療養で構いません。
脱水を防ぐためにこまめに水分を摂り、安静にして過ごしてください。
場合によっては、解熱鎮痛薬などを用いて症状の軽快を待ちましょう。
ただし、高熱が続いたり、頭痛や嘔吐、けいれんなどがある場合、水分がとれない場合は速やかに受診するようにしてください。

大人でもヘルパンギーナはうつりますか?

まれですが、抵抗力が落ちている場合、また過去に感染したことがなく免疫を持っていない場合には大人の方であっても感染することがあります。
ヘルパンギーナは夏に流行しますが、この時期は大人でも暑さで体力を消耗しやすくなっています。
大人の方がヘルパンギーナにかかった場合、子どもと同じ症状(高熱と口の中の水疱)が現れますが、熱が高くなる、痛みが強くなる、頭痛や筋肉痛、関節痛が出るなど症状が重くなりやすいです。
また、症状が長期間続くケースもあります。大人の方の感染は子どもが感染した後、家庭内で感染するというケースがほとんどです。
子どもがヘルパンギーナに感染した際は、マスクの着用や手洗いうがい、タオルや食器の共有は避けるなどの予防策をとるようにしましょう。

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