女の子の陰部のかゆみ・痛み

女の子の陰部のかゆみ・痛みについて

思春期前の女の子には、陰部にかゆみがあったり、おりもののような分泌物が出るなどの症状が見られることがあります。
当院では、このような女の子のデリケートな症状に対する診察を行っております。
女の子にとって、デリケートゾーンの診察や相談は抵抗を感じることが少なくありません。特に泌尿器科や婦人科への受診は、小さな子どもにとってハードルが高く感じることもあるかと思いますので、どの診療科を受診すべきか迷われる場合は女性の小児科に相談に来てください。
当院では女性医師が対応いたしますので、どうぞ安心してご相談ください。

女の子の陰部のかゆみ・痛みについて

陰部の症状

  • おまたが痒い、痛い
  • おりもののようなものが出る
  • パンツに黄~黄緑のシミがつく
  • おしっこをするときに痛みがある
  • おしっこをした後にすぐにまたおしっこに行きたくなる

など


必要に応じて、尿検査や細菌培養のための検体採取(綿棒でこすり取ります)を行います。
また、精密検査が必要な場合には、連携医療機関へご紹介いたします。


原因疾患

小児外陰炎・外陰腟炎

小児外陰炎は、主に外陰部(陰部の外側)の皮膚に炎症が起こる状態を指します。
症状としては、かゆみや赤み、外陰部の腫れが見られます。
一方、外陰腟炎は、外陰部だけでなく腟内にも炎症が広がっている状態です。
外陰部のかゆみや痛みに加え、腟からの分泌物(おりもの)が増加することが特徴です。

原因

小児外陰炎と外陰腟炎の主な原因は、外陰部や腟が不衛生な状態にあることです。特に、排便後の拭き方や入浴時の陰部の洗い方が不適切な場合、細菌が外陰部や腟に侵入しやすくなります。
特に幼い女児は腟の自浄作用が未発達であるため、細菌や真菌が繁殖しやすく、感染が起こりやすいです。
また、下着やおむつによる摩擦や蟯虫(ぎょうちゅう)などの寄生虫、石鹸や洗濯用洗剤などのアレルギーも炎症の原因となることがあります。

治療

小児外陰炎と外陰腟炎の治療では、まず陰部の清潔を保つことが基本となります。
女の子の陰部は、肛門や腟口、尿道口が非常に近い位置にあるため、排便後の拭き方が非常に大切です。「後ろから前に手を入れて、前から後ろへ向かって拭く」ようにしましょう。
入浴時の陰部の洗い方については、タオルで強くこする必要はなく、手で優しく丁寧に洗うようにしてください。また、石鹸を使用する際は、しっかり泡を洗い流すようにしてください。石鹸の残留は陰部の皮膚や腟周囲に炎症を引き起こす原因となることがあります。
症状が続く場合や重症の場合は、抗生剤や抗真菌薬を含む軟膏を処方することもありますので、まずは医師の診察を受けて適切な治療を行うことが大切です。


女の子の2次性徴について

思春期とは、二次性徴が始まり、初経(初潮)を迎えてから月経周期が安定するまでの期間を指します。
一般的には、89歳頃から1718歳頃までの時期にあたります。
この時期、女の子では女性ホルモンの増加に伴い、二次性徴と呼ばれる体の変化が起こります。乳房の発達から始まり、次第に陰毛や腋毛が生え、その後に月経が始まります。
月経開始から約2年後には、身長の成長がほぼ止まり、成人身長に達することが多いです。
平均的には12歳前後で初経が見られますが、個人差が大きく、早い場合と遅い場合で34年ほどの差があります。

女の子の2次性徴について

おりものが黄色・黄緑・茶色なのは
どうして?

おりものとは、腟・子宮・外陰部からの分泌液のことで、生理が始まる1年ほど前からみられることが多いですが、幼児期に外陰腟炎が原因でおりものが下着に付着することあります。
おりものが分泌されることで、腟内を酸性に保ち、病原体の侵入・増殖を防いでいます。通常、あまり臭いはなく、半透明や白っぽい色をしており、少し粘り気があります。
おりものの色が黄色や黄緑、茶色になるのは、感染や炎症が原因であることが多いです。
黄色や黄緑のおりものは、細菌感染が関係している可能性があり、外陰腟炎や尿路感染症が疑われます。
茶色のおりものは、出血を伴う炎症や腟内の損傷が原因となることがあります。
これらの症状や、異常な臭い、かゆみが続く場合は、早めに医師に相談しましょう。

おりものが黄色・黄緑・茶色なのはどうして?

よくある質問

子供は外陰腟炎になりやすい?

子供は大人に比べて外陰腟炎になりやすいです。
幼児期の女の子は、腟内の自浄作用が未発達で、外陰部や腟が細菌や汚れに対して敏感です。特に排便後の拭き方や入浴時の洗い方に注意が必要です。
また、おむつや下着の刺激、外遊びの際に外陰部が汚れることも原因となり得ます。

外陰炎は自然に治りますか?

軽度の外陰炎であれば、適切なケアや清潔を保つことで自然に治ることがあります。入浴時に陰部を優しく洗い、清潔に保つことが大切です。
ただし、かゆみや赤みが続く場合や、症状が悪化する場合は、早めに医師の診察を受けることをおすすめします。

陰部のかゆみを放っておくとどうなりますか?

陰部のかゆみを放置すると、炎症が悪化する可能性があります。かきむしることで、皮膚に傷がつき、そこから細菌が侵入して感染が広がることもあります。
長引くかゆみや不快感がある場合は、早めに医師に相談してください。

陰部のかゆみに何を塗りますか?市販薬を塗ってもいいですか?

陰部のかゆみには、医師が処方する抗生剤や抗真菌剤を含む軟膏が効果的です。
市販薬を自己判断で使用することは避け、必ず医師に相談してください。市販薬は、かえって症状を悪化させる場合や、子どもに適さない成分が含まれている可能性があります。

女児のおまたが赤くなった原因は何ですか?

女児のおまたが赤くなる原因としては、排便後の不適切な拭き方、尿や便の付着、または入浴時の陰部の洗い方が不十分であることが考えられます。
また、下着やおむつによる摩擦や刺激、さらには細菌や蟯虫(ぎょうちゅう)による感染が原因となることもあります。赤みが続く場合は、早めに医師に相談してください。

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