その他の外来

うんち外来

うんち外来

何らかの原因によって排便回数や便の量が減った状態を便秘といいます。便が出ない状態が長く続くと便が腸の中で硬くなり、排便時に痛みや肛門の出血を伴うことがあり、そのことでまた排便がしづらくなり、便秘の悪循環となります。便秘が長く続くと肛門が出血したり(痔核や切れ痔)、「見張りいぼ」ができることがあります。

生まれたての赤ちゃんの腸内は無菌状態です。出生後にビフィズス菌などが腸内に住み着くようになり、3-4歳で腸内細菌叢ができあがるといわれています。腸内細菌叢はいろいろな菌がいること(菌の多様性)が大切です。適切な量の水分を取り、バランスのとれた栄養をしっかりととること、お子さんにも腸活が大切です。

また排便には腹筋が必要です。赤ちゃんのころから寝返りやハイハイを大切に、しっかりと運動することが便秘予防には大切です。

また脳と腸は互いに影響を与え合うという「脳腸相関」という言葉があります。緊張するとおなかが痛くなったり、下痢や便秘になってしまうのは、セロトニンなどの神経伝達物質が脳と腸の両方に関与するためといわれています。腸と脳の間には神経内分泌免疫ネットワークがあり、神経免疫の病気である多発性硬化症や認知症、自閉スペクトラム症と腸内細菌叢の研究も進んでいます。

当院のうんち外来では医師による薬の処方だけでなく、サプリメント提案や看護師による生活習慣の見直し、理学療法士による運動指導、管理栄養士による栄養相談などを総合的におこない、お子さんの健康な腸活をサポートします。

機能性消化管障害

機能性消化管障害

消化管の運動機能障害によって、嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、便秘などの痛みや不快感を繰り返す疾患の総称で、器質的な異常(痛みの原因となるもの)が画像や検査で見つからないものです。症状により日常生活に支障をきたすことが問題となります。脳と腸はセロトニンなどの神経伝達物質を介して互いに影響を及ぼしあい、「脳腸相関」といわれます。ゲップや胃部不快感をともなう胃食道逆流症、学校のテストや満員電車で急な腹痛や下痢などの症状がでる過敏性腸症候群など、機能性消化管傷害の多くの症状がストレスにより自律神経を介して症状の増悪が認められるともいわれます。脳で感じたストレスが腸に伝わり症状を引き起こし、その症状によってまた脳が不安を感じる、という悪循環が生じます。
診断はレントゲン、超音波検査といった画像検査や血液検査では異常を認めないことを確認し、症状の状態をお聞きして診断することになります。脳腸相関には腸内細菌叢も大きく関与するため、当院では症状に対する薬物療法だけでなく生活指導や不安マネジメントなどの心理カウンセリングのほか、腸内環境改善についてもご提案をいたします。場合によっては当院の神経発達専門外来でのサポートや他専門機関と連携しご紹介をさせていただく場合もございます。


栄養外来

栄養外来

毎日きちんとご飯を食べていてもなかなか取れない栄養素があります。好き嫌いや偏食がある場合にはなおさらです。お子さんの体と脳の成長にはバランスの取れた栄養摂取が必要ですが食事だけでは難しいこともあります。たとえば脳内の伝達物質であるセロトニンやドーパミンを作るときには鉄分が必要なために、鉄分が不足すると足に異常な感覚が出る「むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)」など様々な神経症状が起こることが知られています。ほかにも亜鉛や銅などの微量元素やビタミンBD群、そしてたんぱく質の不足などが不調の原因となっていることがあります。血糖の上昇を緩やかにすることやグルテンやカゼインを過剰にとりすぎないことも大切です。

当院では必要に応じて栄養状態をチェックし、医師によるサプリメント提案や看護師による生活習慣の見直し、理学療法士による運動指導、管理栄養士による栄養相談などを総合的におこないます。


おねしょ外来(夜尿症)

おねしょ外来

生まれてから2歳頃までの子どもは毎晩おねしょをしますが、その頻度は年齢とともに減っていきます。
5歳以上のお子さんで1か月に1度以上の夜尿が3カ月以上みられる場合は夜尿症と診断されます。
統計では夜尿症のお子さんは5歳で6~7人に1人、10歳で20人に1人、15歳で100人に1人程度の割合といわれています。またごく稀にですが成人になっても夜尿症が続く場合もあります。
夜尿症は多くの場合、成長とともに自然に治っていくと考えられていますが、生活指導や内服などの治療をすることで治る率(治癒率)が格段にあがることが報告されています。夜尿症があるとお子さんは自信をなくしたり、夜尿を心配してお泊りができないなど精神的なストレスを感じることもあります。また保護者様もお洗濯のストレスや、失敗に対する焦りなど親子関係に悪循環が起きる可能性もあります。
内服治療だけでなく、生活指導やアラーム療法などもあります。4~5歳で夜尿症があるお子さんはぜひ一度ご相談ください。

おねしょ外来詳しくは


起立性調節障害(OD)外来

起立性調節障害外来

起立性調節障害(OD)は思春期に起こりやすく身体が成長するバランスと自律神経のバランスが崩れ、朝起きにくい、午前中の体調不良、めまい、失神、頭痛、食欲低下、睡眠障害などをきたします。
学校を休んで午後になると調子が良くなることもあり、元気になることもあり、「怠け」や「やる気」の問題と周囲に誤解されることもありますが、心の病気ではなく身体の症状としてとらえることが必要です。OD症状のうしろには発達特性や睡眠障害、栄養障害、水分不足、運動不足などが隠れていることもあり、多面的な問診が必要となります。問診からODが疑われる場合には、血液検査や心電図検査、横になったときと立っているときの血圧や脈拍の変化から診断をおこないます。ODには4つのサブタイプがあり、診断結果に応じた治療プランをたてます。治療は疾病教育、生活指導、環境調整、栄養療法、運動指導、漢方や昇圧剤などの薬物療法をおこないます。自律神経や生活習慣を整えること、ストレスに対処できるコーピングスキルを身につけることも必要です。家族や学校など周囲の方々の理解も大切です。一般診療で問診・検査・生活指導などをおこないますが、必要に応じて当院の神経発達外来で心理指導や運動指導などより専門的な対応をさせていただくこともございます。

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