おたふく風邪(流行性耳下腺炎)は大人にもかかる?

おたふく風邪(流行性耳下腺炎)

おたふく風邪(流行性耳下腺炎)は耳の下(耳下腺)や顎の下(顎下腺)が腫れて痛みが出る病気で、原因は、ムンプスウイルスへの感染です。

左右どちらも腫れることが多いですが、片側だけが腫れる場合もあります。腫れのピークは1日~3日程度で、ほとんどの場合1週間ほどで引きます。熱は高熱が出る子どもからまったく熱が出ない子どもまで様々です。また、発熱した場合も3日~4日ほどで下がることがほとんどです。

咳やくしゃみで他の人に感染するため、保育園や幼稚園で流行することがあります。

おたふく風邪(流行性耳下腺炎)

おたふく風邪の感染経路

おたふく風邪は主に、感染した方の咳やくしゃみで飛散したウイルスを吸い込むことによる「飛沫感染」と、ウイルスの付着したものに触れることによる「接触感染」で感染します。


おたふく風邪の潜伏期間

おたふく風邪は約23週間の潜伏期間があります。


おたふく風邪は大人にも感染する?

おたふく風邪は子どもがかかる病気とされがちです。
しかし、免疫が十分でない場合、大人でも感染する可能性があります。特に思春期以降にかかると、ムンプス難聴のリスクが高まるだけでなく、男性では精巣炎、女性では卵巣炎を引き起こすことがあります。
おたふくかぜのワクチンは任意接種のため、接種率が低いのが現状です。今までおたふくかぜにかかっていない方は、感染する前に、2回のワクチン接種でしっかりと予防することが大切です。


おたふく風邪の予防方法

おたふく風邪には治療薬がありません。そのため、合併症を予防するためにもワクチンの接種は重要になります。

おたふく風邪ワクチンは多くの場合、1歳以降のなるべく早い時期に1回と、小学校入学の前年1年の間にもう1回の計2回接種します。
大きくなってからかかると重症になる可能性があります。
そのため、小学校に入学した後であっても、ワクチン接種が2回お済みではない場合、接種したほうが良いでしょう。

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受診の目安

おたふく風邪には重い合併症のリスクがあります。(髄膜炎・難聴・脳炎・脳症・精巣炎・卵巣炎など)高熱が続く、耳の下の腫れが赤くなる、強い頭痛や腹痛、繰り返しの嘔吐、睾丸の痛みなどがみられる場合は、速やかに受診するようにしてください。

また、おたふく風邪に感染すると、400700人に1人程度の割合で難聴になってしまうことがあります。
多くの場合、難聴は片耳だけのためなかなか気付かないのですが、聞こえ方に違和感がある場合は耳鼻科を受診するようにしてください。


検査・診察・治療

おたふく風邪には特効薬がありません。
そのため、痛みや熱に対して解熱鎮痛薬を使用する、耳の下を冷やすといった対症療法を行い、症状が軽快するのを待つことになります。
耳の下を冷やす際は、嫌がるときは無理して行わず、小さいお子さんの場合は口に入れないよう、氷枕のような大きいものを使うと良いでしょう。


おたふく風邪に関してよくある質問

おたふく風邪に感染した場合、いつから登園できますか?

耳下腺や顎下腺の腫れが出てから、最低5日が経過するまでは登園できません。
また、症状が無くなり、元気になるまでは家で安静に過ごしましょう。

大人にもおたふく風邪は感染しますか?

おたふく風邪は子どもの病気だというイメージが強いですが、大人の方でも免疫が十分でない場合には感染する可能性があります。
感染経路は飛沫感染と接触感染です。 思春期以降に感染すると、ムンプス難聴や精巣炎、卵巣炎といった合併症のリスクが高くなります。
おたふく風邪は2回のワクチンで予防することができます。
今までに感染したことがないという方は、ワクチンの接種をお勧めします。

おたふく風邪を放置するとどうなりますか?自然に治る可能性はありますか?

多くの場合自然に治癒しますが、周囲に感染を拡大させないためにも、早めに診断を受けておいた方が良いでしょう。

おたふく風邪は何歳頃にかかることが多いですか?

おたふく風邪にかかる人のうち、約60%が3歳~6歳のお子さんです。

予防接種をしてもおたふく風邪にかかることはありますか?

約10%のお子さんには、ワクチン接種を行っても免疫ができないことがあります。
その場合、おたふく風邪に感染してしまう可能性がありますが、かかってしまっても比較的症状が軽くなるということが報告されています。
また、自然感染の場合より、無菌性髄膜炎や難聴といった合併症のリスクがかなり低くなります。
ワクチンの接種は、合併症予防に対しても効果が期待できるといえるでしょう。

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